ここでは、【積算価格(せきさんかかく)】とは何かについてご説明します。
積算価格の計算式
積算価格とは、不動産の費用性(その不動産をもう1度つくるとしたら、いくらかかるか)に着目した【原価法】によって求められる価格です。
積算価格は、下記の計算式によって求められます。
土地の積算価格 = ①土地単価 × ②土地面積
建物の積算価格 = ③建築単価 × ④延床面積 × ⑤経過年数 ÷ ⑥総耐用年数
では、それぞれについて説明していきます。
①土地単価
その土地の1㎡当たりの価格です。
不動産投資においては、相続税路線価を用いるのが一般的です。
なぜ相続税路線価を用いるかというと、銀行が積算価格の評価の指標にしているからです。
相続税路線価の調べ方
まず、「全国地価マップ」にアクセスします。
http://www.chikamap.jp/chikamap/Portal?mid=216
利用規約に同意して、住所を入力すると、下記のようなマップが出てきます。
その土地の前を通っている道路についている数字を確認します。
その数字が、その土地の単価になります(千円単位。この画像の場合は215,000円/㎡)。
相続税路線価についての詳細は、こちらの記事をみてください。
②土地面積
土地の面積は、登記簿に記載されているものを使用します。マイソクにも通常記載されています。
今回は仮に100㎡だとすると、これで土地の積算価格が算出できました。
土地の積算価格(例) = 215,000円/㎡ × 100㎡ = 21,500,000円
③建築単価
建築単価とは、建物を建てるに当たって、建物の床面積1㎡当たりでいくらかかるかを表したものです。
厳密に鑑定評価を行う場合には、建物の用途や間取り、立地条件なども加味して査定しますが、不動産投資などにおいて簡易的に算出する場合には、建物の構造だけをもとに決定します。
木造 | 150,000円/㎡ |
---|---|
軽量鉄骨造 | 150,000円/㎡ |
重量鉄骨造 | 180,000円/㎡ |
RC造 | 200,000円/㎡ |
SRC造 | 200,000円/㎡ |
構造については登記簿や、竣工図面などに記載されています。
構造の詳細については、また別途記載します。
④延床面積
延床面積とは、建物の各階の床面積を合計したものです。
延床面積は、登記簿に記載されているものを使用します。マイソクにも通常記載されています。
⑤経過年数
経過年数は、建物を新築した年月から現在までの間に経過した年数です。
例えば6年1か月など、6年を1か月でも超えているものについては、7年とする(繰り上げる)ことが一般的です。
⑥総耐用年数
総耐用年数は、簡単に言うと、建物を建てた時からどのくらいの期間、建物が有効に使えるかを示すものです。
不動産投資などにおいて簡易的に求める場合は、税務上定められている「法定耐用年数」を用いるのが一般的です。下記が法定耐用年数です。
木造 | 22年 |
---|---|
軽量鉄骨造 | 27年 |
重量鉄骨造 | 34年 |
RC造 | 47年 |
SRC造 | 47年 |
不動産の鑑定評価において積算価格を求めるときには、機械的に法定耐用年数を用いるのではなく、物理的な劣化の程度や機能の低下、市場競争力の程度などを加味した「経済的残存耐用年数」を求めて、これに経過年数を加算して総耐用年数を算出します。
例えば、木造、延床面積150㎡、築7年の建物であれば、以下のような計算式になります。
建物の積算価格(例) = 150,000円/㎡ × 150㎡ × 7年 ÷ 22年 ≒ 7,160,000円
以上より、この複合不動産(土地+建物)の積算価格は、下記になります。
土地 21,500,000円 + 建物 7,160,000円 ≒ 積算価格 28,700,000円
積算価格は、収益価格と並んで複合不動産の価格を判定するうえで非常に重要な指標です。
ぜひ、ご自分で求められるようになってください!
ご質問などがあれば、お問い合わせフォームか、SNS等でご連絡下さい。
品川龍仁